第3話 「小さな黄色い家」
地面に自分の名前を一生懸命に書いているアン。生まれて一度も見た事のない父と母の顔を思ってため息をついてしまうアンでしたが、アンの傍らでひだまりの中に寝転ぶロキンバーは全く知らん顔をしています。アンは気にしないまま、ロキンバーに自分の名前が付けられた時の情景を長々と想像し、大げさな身振りで語りかけていました。それを見かけたホーレスとエドワードは、笑いながらまたアンの赤毛の髪をからかい始めるのでした。家の中ではジョアンナが、想像ごっこをしているアンのことでエリーザに小言を言っていました。アンがますます父親に似てきたようだと珍しくシャーリー家の思い出をジョアンナはエリーザに語ります。エリーザは母親を気遣いながらも、アンに両親の話をしてあげて欲しいと頼んでくれるのですが、アンのくだらない想像ごっこがもっとひどくなってしまうとジョアンナに決め付けられてしまいます。アンは2人のやり取りを部屋の隅でじっと聞いていましたが、こらえきれずジョアンナの前に飛び出すと、少しだけ知ることができた生まれた家と両親の面影に、夢中になって想像の羽根を広げるのでした。小さな黄色い家がアンの生まれた家だったのです。皿を拭き終えたジョアンナは納屋で寝ているバートを起こすと、町へ仕事を探しに行かせました。そしてバートがお酒を飲んでしまわないようにアンに一緒に行って見張るように伝えます。アンは小さな黄色い家のことで頭を一杯にしながら、馬車で町へと出掛けて行くのでした。