第4話 「金色の泉」

エリーザが借りてきてくれた絵本は、アンをとても夢中にさせていました。今日も馬小屋の掃除の傍ら、本を手にしてうっとりと眺めていました。エリーザから絵本をもう返さねばならないと告げられたアンは、寂しそうに本との別れを惜しみます。その姿に、エリーザはアンが同じ年頃の子たちのように学校に行けないなら、この絵本を買ってあげたいと思いましたが、ジョアンナにきつく反対されてしまいます。実際貧しいトーマス家には少しの余裕もありません。ジョアンナは小麦粉の代金の支払をもう少し待って貰えるように、エリーザに町へ行って来て欲しいと頼みます。エリーザは厄介な頼みごとを聞く代わりに一緒にアンを連れて行かせてもらうことにしました。優しいエリーザと一緒に出掛けられて嬉しさ一杯のアン。2人でジョンソンさんの店に着くと、エリーザは支払の件を話そうとしますが、ジョンソンさんに先に拒否されてしまいます。困っているエリーザを他所に、アンは店においてあったブラウニングの詩集に目を留めると、その美しさにひどく感動し、夢中になって本の中身を想像するのでした。そこへ、町の資産家のエマーソン夫人と息子のロジャーがやって来ました。ハンサムなロジャーは町中の女の子に人気で、エリーザもその一人でした。ロジャーもまたエリーザが貧しいことを気にせず彼女をとても気に掛けていました。ロジャーがエリーザの側にいたアンにも挨拶すると、アンがユニークな返事をするので2人はとてもおかしそうに笑います。その様子を見ていたエマーソン夫人は、アンを屋敷に呼んで娘のメアリーの相手をさせようと思いつくのでした。

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