第11話 「冬のひまわり」
卵を買いに行くたびに、エッグマンに新しい単語を教えてもらうようになったアン。ある日アンは、宝物のブラウニングの詩集を一緒に持って行きました。どうして「金色の泉」と呼んでいるかをアンがエッグマンに話してあげると、エッグマンはブラウニングの詩の一篇をアンに読んで聞かせます。そして、何を感じるか何を考えるかが大切なのだアンに教えます。お茶の入るのを待つ間に部屋を見回したアンは、たくさんの絵が飾ってあることに気付きました。絵がどれも描き掛けのものばかりなのを不思議に思ったアンはエッグマンに理由を問いかけます。彼の答えはまだ幼いアンには難しく良く分からないものでしたが、アンにとっては週に一度エッグマンのところへ来ることがこの上ない楽しみになっていました。家に帰ってきたアンは、ジョアンナに言われて代わりに野菜を洗おうとしますが、冷たい水に驚いてしまいます。自分が野菜ブラシをだめにしてしまったことをアンはとても反省し、我慢して野菜を洗い出すのでした。翌日荷物持ちの手伝いをしに、ジョアンナと一緒に町に出掛けたアンは、雑貨屋の店先に野菜ブラシが置いてあるのを見つけます。でもアンにはブラシを買うお金がありませんでしたがっかりしながらブラシを眺めていると、通りの向こうからアンの耳に争う大きな声が聞こえてきました。そこには、女に勉強は必要ないと怒鳴る男を前に一歩も引かずに言い返す女の人の姿がありました。女の人がアンのお母さんと同じに学校の教師だと聞こえてきたのに惹かれ、人々の輪に近づいていったアン。アンの目には、女の子だって世界を変えることができると話す女の人が、まるで野に咲くひまわりのように思えるのでした。