第16話 「もっと書物を!」
アンの学校のヘンダーソン先生は、「吹けば飛ぶようなお給料」でいつも子どもたちのために本を買っていました。今日は立派な牧場主になる夢を持つランドルフが牛の勉強を出来るような図鑑を、新聞記者になりたいマイケルのためにリンカーン大統領の伝記を持ってきてくれました。でも子どもたち皆で少ない本を何度も借りるので、本はあっという間にボロボロになってしまいます。ヘンダーソン先生はもっと皆に色々な本を読んでほしいのですが、学校には余り本を買うための予算がありません。壊れてしまった本を前に、アンは学校に本があったらいつでも借りられるのにと想像しました。するとそれを聞いた先生は、たくさんの本を集めて学校に図書棚を作ろうと思い立ちます。先生は子どもたち皆に家から不要になった本を集めてきてもらおうとしますが、今迄町の大人たちが余り本に興味を持っていなかったために本のない家が多く、ほとんど集まりません。困った先生にアンはエッグマンに相談しようと促すのですが、エッグマンは先生に皮肉を言うばかりで怒らせてしまいます。しかも帰り際に出口を間違えてしまったヘンダーソン先生を捕まえ、愉快な芝居でも見ているようだと冷やかさんばかりです。しかしそれを聞いた先生は突然、子どもたちがお芝居をして町の人から見物料を寄付してもらうことを思いつき、しかもエッグマンに台本を書いてもらおうと言い出します。アンはその素晴らしい考えに、そばかすの数も忘れそうなほどわくわくと胸をときめかせるのでした。