第33話 「恐ろしい一夜」

自分の殻に閉じこもり、孤児院の少女たちと行き違ってしまったアン。アンに反感を持ったエドナやキャシーたちは、アンのかばんをいたずらしようとして火事騒ぎを起こし、それをアンのせいにしてしまいます。カーライル女史はアンを問いただしますが、写真を取り返そうと自分もこっそり納戸に忍び込んでいたアンは本当のことが言えません。先生はそんなアンを犯人と決めつけ、アン一人を反省の部屋に閉じ込めてしまいました。孤児院の皆が恐ろしがっている反省の部屋とは、幽霊が出ると言われる恐ろしい部屋でした。アンを陥れた少女たちは、アンが幽霊に呪い殺されてしまったらと後ろめたい気持ちになりますが、みな本当のことを告げる気持ちにはなりませんでした。暗く狭い部屋の中で恐怖に震えながら、それでもアンはいつかプリンスエドワード島に行ける日を想像して自分を慰めていました。その時差し込んできた満月の光がアンの前に壁に刻まれた文字を照らし出します。そこには、「エイミー・トンプソン」の署名と共に不思議な言葉が刻まれていました。アンが不思議な気持ちにかられて言葉を読み終えた時、ふとカタカタと小さな音が聞こえてきました。ビックリしたアンが恐ろしさに竦んでいると、羽目板の一部が外れ、何かが部屋の中に入ってこようとしたのです。

   とじる