第34話 「遠い町へ」
アンが閉じ込められていた反省の部屋に現れた幽霊の正体はテッサでした。テッサは皆と一緒にアンのかばんにいたずらしようとして火事を起こしてしまった張本人でした。テッサはアンが幽霊に呪い殺されたらと思うと心配になり、一人反省の部屋に忍び込んできたのです。いつも仲間の味噌っかす扱いでいたテッサは、一緒に孤児院を逃げ出そうとアンにもちかけてくるのでした。二人が外に出ると、テッサの言うとおり庭の柵の外に馬車が止まっていました。テッサが必死に言いの募るうちに、アンも段々強い誘惑にかられて行くのでした。孤児院の中ではミス・ケールがテッサを探していました。ミス・ケールは、火事はアンでなくテッサが起こしたものではと考え始めていました。カーライル女史はそんなミス・ケールの行動を好ましくないと思っていたのですが、自分の代わりにこの事件の真相をきちんと調べておくように告げるのでした。その頃アンはまだテッサと一緒に馬車を見つめていました。あの馬車に乗れば、孤児院を抜け出せる、いつかプリンスエドワード島にも行くことができると思うとアンはたまらなくなりますが、大きな冒険の前にアンもテッサも臆していました。その時、反省の部屋から抜け出したアンをエドナたちが見つけてしまったのです。