DVD7巻収録される新作映像についてなかむら監督から、制作に及んだ経緯や新作映像への思い入れ等を語って頂きました。

今回の新作映像を作る事になった経緯をお知らせ下さい。


7巻目で特典映像を作ったほうがいいんじゃないかという話になりました。本編でベフォールの子供達は後姿で終わっているんですね。それはそれで僕の中で成立していたんですが、ただ、最終話の絵コンテを描いたときに、今回のオマケ映像に関わる部分も書いていたんですが、全体の尺の関係で入らなかったんです。それで仕方なく削ったんですが、オマケ映像を作ろうっていう話になった時に、そこはちゃんと見せなくちゃいけないなって事で。

新作と言う事で、意識した事はありますか?


新作と言ってもオマケのようなモノです。おまけではあるけれど、本来は本編できっちり終わらせなくてはいけなかった部分です。それ程にベフォールの子供達というのは重要な役割を担っていたので、彼らのたどり着く最終的な場所も描いてあげなくちゃと思っていました。今回、それが実現しました。

DVDで見るときのポイントは?


初めて観る人には、物語をとにかく楽しんで頂ければいいかなと思います。でも、1回観るだけでは伏線が色々張ってあるのがわかりにくいと思うので、DVDでは2度3度と続けてみて頂くとそこが繋がってきて、より深いキャラクター達の物語を、更に楽しめると思います。

このオマケ映像はファンの方たちが求める子供達を観ることができるということでいいんでしょうか?


ファンが何を求めてくれているかと言う事もありますが、本編で彼らの答えが出ている以上、おおよそその通りになります。もちろん本編と繋がっていて切り離せません。プロットの時から考えていた帰郷のシークエンスを追加する事です。ずっと旅をしてきて苦しんだ彼らだからこそ、最後の帰郷で救われるンです。

今回はベフォールの子供達がメインですが、ヘルガ達の今後の映像はありますか?


ヘルガは・・・ソランとも逢えましたし、あれ以上のドラマは無いですね。あれ以上は要らないと思います。あそこで終わっているからいいんじゃないかと思います。トーマとかチットのその後も考えたんですが、でも、大人になった彼らの姿を見せるのは、あまり美しくないなぁと思っていますから。

一応、作品の区切りは付いたと思うんですが、全体を通してファンタジックチルドレンは監督にとってどんな作品でしたか?


テレビアニメーションの監督は初めてだったのですが、スケジュールも無事に間に合って、伝えたい事もかなりストレートに、また細部にわたってディテールも含め描けたンじゃないかなと。たしかに、作業的には作画面や、アニメーションの現場を細部まで見れたかと言うと、行き届かぬ所も勿論あるのですが、それでも全体で伝えようとしていたドラマは明快に表現出来たと思っています。