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この物語では主人公の五才の少年マルセリーノの
二つの異なる面が描かれます。
修道院の門前に独りぼっちで置き去りにされた赤ちゃんが、
修道士達に可愛がられながら好奇心が強く快活で利口な少年に
成長していく姿を描く一方で,修道院の屋根裏に取り残された
古い十字架の上のキリスト像と悲しくも深い絆で
心を通わせてゆく姿を感動的に描いていきます。
マルセリーノは動物や木々、草花に囲まれた自然一杯の環境で育ちます。
動物の言葉がわかり好奇心と探求心が旺盛で空想好きな少年マルセリーノは
風変わりな質問をして修道士やまわりの大人たちを困らせたり、時には
その性格がわざわいして思いがけない冒険をしたり事件に巻き込まれたりします。
そんな快活でわんぱくな少年を修道士達は暖い目で見守り,教育していきます。
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ある日、マルセリーノに屋根裏に住む哀れな男との
出会いが訪れます。修道院の屋根裏でその男は傷を負い,
静かに十字架に吊るされていました。
マルセリーノにはどうしてその男が修道院の屋根裏で
十字架に吊るされているのかわかりませんでした。
ただ、その十字架に吊るされている男をとてもかわいそうに思いました。
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その後も相変わらずわんぱくで悪戯好きなマルセリーノですが、
この出会いをきっかけに修道院の屋根裏へ一人で行っては、
その男にパンと少しのワインを届けてあげるようになります。
男はマルセリーノに感謝し、喜んでそれを食べます。
マルセリーノはこの孤独で哀れな男に深い愛情と友情を覚えます。
物語はこうして少年の心に芽生えた優しさと愛を描いてゆきます。
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