第17話 「真っ白な旅立ち」


(2008年04月27日)

17.jpgイオニア海を望む朝のパトラの港。ミーナの消息をたどってようやく港に着いたものの、ポルフィは途方にくれてしまう。港をうろうろしていると、石段のそばに物乞いの老婆の姿に気づく。自分で知らないまま、ポルフィはミーナと同じように一枚の硬貨を空き缶へ差し出した。去り際に老婆から名前を聞かれたポルフィは、ふとミーナを探していることを話す。すると目の不自由な老婆は、ミーナが船に乗ってイタリアへ渡ってしまっのだと言う。不思議な老婆は、どんなに悲しいことも、苦しいことも、長い長い旅の終わりには、想い出が癒してくれるはずだとポルフィに語りかける。ミーナの心の悲しみと自分自身の悲しみをあらためて思い、ポルフィはたまらずに海へと向かって号泣する。泣き明かしたポルフィはミーナを見つけようと固く決心するが、イタリアへ渡るための船賃さえ持っていなかった。ポルフィは船賃を稼ぐために、親切な男に教えられて壁のペンキ塗りのアルバイトを始めるのだった。