バーンズが話をしてくれたおかげで、ポルフィはローマの下町の宿に泊まることができた。翌朝宿の食堂では、朝食をとるポルフィを主人のブルーノがかいがいしく世話をしてくれる。ブルーノは、ローマは広いが、スペイン広場辺りから探してみては、とポルフィに提案してくれる。やって来た広場では、世界中から来た観光客たちが、さまざまに写真を撮ったりアイスクリームを頬張ったりと楽しそうに過ごしていた。ポルフィが商売をしている露天商の男にミーナの写真を見せて、占い師を探していると聞いてみると、こんな広場でなくもっと裏通りにいくようにと追い払われてしまう。ポルフィは言われたように路地から路地を訪ね歩くことにしたが、あまりにも大きいローマの街にだんだん疲れきってしまう。珍しい車を見ても脇目も振らず一心に歩き続けるポルフィ。いつの間にか観光地から離れた下町までやってきていたポルフィを、見知らぬ女の声が呼び止めてきた。
ローマのイタリア軍の空港に、ポルフィの乗った飛行機が降り立った。ゲートの外に出て辺りを見回していたポルフィを呼び止めたのは、シミトラ村で別れたきりのバーンズだった。懐かしさに思わず顔をくしゃくしゃにするポルフィに、バーンズはわざと怒ったような顔で近づいてくる。バーンズは、みんながどんなにポルフィたち心配しているかを告げると強くポルフィを抱きしめるのだった。ローマの丘の上にジープを停め、ポルフィのこれまでの話に耳を傾けるバーンズ。ミーナが一緒でないことを察するが、ポルフィのしてきた苦労を聞き、きっとミーナは見つかると、以前のようにポルフィの頭に手をやって励ましてくれた。ポルフィはそんなバーンズに、ミーナと一緒にシミトラ村できっとまたパタゴス大ステーションを始めるのだと告げる。任務のために一緒にいられないバーンズは、別れ際に手紙をポルフィに渡す。それは、離れてしまった親友ザイミスから預かった手紙だった。
ポルフィは、ジャックやマイケルたちと一緒に懸命にミーナの行方を探し続けていた。既に地図のほとんどがバツで埋められていたが、パレルモの街に足を伸ばす前に一旦カターニャに引き返すことにする。そこへやってきたのは、ジャックたちの父の知り合いのパレルモのドン・チッチだった。ドン・チッチは去り際に、ジャックを呼んでアンドレに気をつけるように告げていく。ポルフィたちには親切そうに見えるが、ドン・チッチを見送るジャックの表情は違っていた。そして、いよいよジャックがドン・マンシーニに会いに行く日がやってきた。ポルフィとマイケルも、まるで自分のことのように、約束の時間に遅れてしまうとジャックをせかす。出発前に父のバルバッツァがジャックを励ましてくれ、疾走するフォードはとうとうマンシーニ屋敷の玄関に到着する。ジャックたちの到着を出迎えたのは、三つ揃いのスーツを着こなしたアンドレだった。
ポルフィとマイケルの励ましで、ジャックはモニカに会うために車で夜の道に飛び出した。3人がマンシーニの屋敷に向かっていた頃、モニカはジャックのことで兄のアンドレとけんかになってしまう。屋敷についた3人は、モニカの部屋の窓に小石を投げてこっそり呼び出そうとするが、すぐには気づいてもらえなかった。だが、飛んできたアポロのおかげで窓から顔を見せたモニカに、ジャックは大声で愛の告白をする。モニカも同じように大きな声で返事をしてくれるのだった。帰りの車の中で、ジャックはポルフィは自分の恩人だからと、一緒にミーナを探す手伝いを申し出てくれる。しかし、小さなシチリアの島中を歩いてみても、ポルフィたちはなかなかミーナの手がかりに辿り着けなかった。とうとうマイケルの提案で、教会のミサに来る人にミーナのことを尋ねてみることにする。