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【2008年08月 バックナンバー】



第35話 「信じるこころ」


(2008年08月31日)

35.jpg降りしきる雨の中、ポルフィは森を抜ける夜道を村を目指して歩いていた。その頃別の街の酒場では、今夜もカルロスが賭け事をし、イザベラが占いをする傍らにミーナは一緒に過ごしていた。カルロスに勝っていた客の一人が突然大声で賭けを降りると言い、カウンターに戻るなりミーナに視線を寄こしてくる。男はカルロスがお金の換わりにミーナを賭けたのにあきれ、イザベラにそのことを教えてくれる。怒ったイザベラは、テーブルに駆け寄るとカルロスの頬を張り、代わりに母親の形見のブローチを投げ出す。ミーナは突然の出来事にただ驚くばかりだった。雨の中を雷光に怯えながらまだ村を目指していたポルフィは、かすかな明かりを頼りに壊れた小屋を見つける。助かったとばかりに駆け寄った小屋の前には、サイドカーが停めてあり、ポルフィは思わずエンジンを覗き込む。すると、小屋の中から神父のジュリアーニが現れた。

第34話 「天使へのプレゼント」


(2008年08月24日)

34.jpg前の街での出来事を思い、足取りも重く元気のないままミーナを探して丘陵地を一人歩くポルフィ。途中すれ違う車に乗せてもらおうとするが、なかなか止まってもらえない。あきらめて進もうとすると、後ろからクラクションを鳴らして一台のトラックがやって来た。運転していたアントニオは、ポルフィの疲れた様子を見て、車に乗せてくれる。揺られているうちに寝込んでしまったポルフィが目を覚ました時には、車はアントニオの家のある街に到着してしまっていた。アントニオはポルフィを自分の家に連れて行き、家族に紹介してくれる。娘の元気な少女ソフィアに気に入られ、明日は街を探検しようと約束させられるポルフィ。翌日ポルフィがソフィアと一緒に出掛けていくと、街の人々が次々と親切に話しかけてきた。穏やかで信心深い街の人々。やがてポルフィはソフィアに「神様がいる井戸」へと案内される。

第33話 「傷だらけの少年たち 」


(2008年08月17日)

33.jpg新しく着いた活気のある街で、辺りを見回していたポルフィは車の横でタイヤを蹴っているおじさんを見かける。突然声を掛けてきたポルフィを男の人は始め警戒していたが、ポルフィが見事に車の故障を直すと無礼をわびて食事に誘ってくれた。急いでいるポルフィはせっかくの誘いを断り、早々に街中でミーナを探し始める。そんなポルフィを物陰から少年グイードがじっと見つめていた。ポルフィに声を掛けお菓子を分けてくれたグイードは、旅の理由を聞いて、少々強引にポルフィからミーナの写真を取り上げると一緒に歩き出す。道々グイードの身の上を聞いたポルフィは、グイードも同じように両親を無くしていたことを知る。夜が近づき、グイードはポルフィが行くあてを決めていないことを知ると、自分の住処に来るように誘い、朽ち果てた建物にポルフィを連れて行く。そこは、同じように親を失ったたくさんの少年たちが暮らす場所だった。

第32話 「ミーナとイザベラ」


(2008年08月10日)

32.jpg北イタリアの小さな町に移ったミーナたち。無理矢理手伝わされたミーナの失敗で、カルロスのいかさまが見破られてしまったために、一行は慌てて酒場を飛び出した。ミーナに当たるカルロスは、ずっとミーナを連れて行くつもりなのかとイザベラに問いただすのだった。列車でさらに別の街に移ると、そこには温泉を目当てに貴族やお金持ちがたくさん訪れていた。宿泊している安宿の前で、早速占いを始めたイザベラ。ミーナの澄んだ声音の口上に行き交う人々は足を止め、一人の女性がイザベラに占いを頼んできた。ミーナがその様子をじっと眺めていると、一人の身なりの良い男の子がミーナに話しかけてくる。驚いたミーナが宿の中に駆け込むと、男の子はミーナを追って来たが、階段の途中で突然苦しそうに咳をして倒れこんでしまう。

第31話 「この街のどこかに」


(2008年08月03日)

31.jpgほんの少しの行き違いで、近くにいるのに出会えなかったポルフィとミーナ。ポルフィはこの広いローマに本当にミーナがいるのか分からなくなり、元気を無くしがちになっていた。ミーナを連れたイザベラたちの一行はまだローマの街に留まっていたが、カルロスはイザベラがミーナを大事にするのが気に入らず、うまく行かない賭けにイラついてミーナに八つ当たりをする。イザベラはミーナをいたわり、カルロスをなだめるのだった。その頃ミーナの写真を手に街を歩き続けていたポルフィは、とうとう小さな広場にいた出店の主人にミーナを連れた占い師のやってくる場所を教えてもらうことができた。大喜びで宿に戻り、主人のブルーノに知らせるポルフィ。だがそんなポルフィの喜びを他所に、イザベラたちはあと一日で次の町に移ろうと話し合っていた。