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【2008年09月 バックナンバー】



第39話 「君へと続く道」


(2008年09月28日)

39.jpgレオンに貰ったコンパスを手に、ポルフィはフランスの方向の北へ向かってとぼとぼと歩いていた。人気もなくどこまでも続く丘陵の途中で収穫前のオリーブの木を見つけるポルフィ。懐かしさに思わず近寄れば、その実の香りは幸せだった頃のギリシャを思い出させた。しかしポルフィが思い出に浸っていると、泥棒と勘違いした農夫がオリーブ畑にやってきてポルフィを乱暴に追い払う。辛い仕打ちにポルフィは涙が止まらなくなったが、こらえながら暗い森の道を前へと進んでいった。農地を通り過ぎやがて街道に行きあたったポルフィは、一人の女性・ジーナがたたずんでいるのに出会う。挨拶し恐る恐る話しかけるポルフィに、「生きてるだけ。何か文句ある?」と乱暴に返すジーナ。それにひるみながらもフランスの方角を尋ねるポルフィ。ジーナはぶっきらぼうな態度で国境の街のある方を教えたが、ポルフィの元気のない様子が気になり呼び止める。

第38話 「風に散る」


(2008年09月21日)

38.jpgイザベラは、変わらず無表情に過ごすミーナの世話を熱心に焼いている。そんな2人をカルロスはまだ苦く思ったままでいた。一仕事しようと街に出たカルロスの側を、そうと知らぬままポルフィが通り過ぎていく。ポルフィがひらけた道に行き当たると、屋台や色々な商品が並べられた賑やかな蚤の市が開かれていた。車の部品を見つけたポルフィは、楽しくなって興味津々に店先を見て回っていたが、うっかり商品を踏んでしまい、店の女性のエミリアに弁償を迫られてしまう。しかし、ポルフィの身の上を聞いたエミリアは、弁償どころか食事をごちそうしてくれた上に、翌日の店番の仕事を引き受ける約束で、ポルフィをアパートに泊めてくれる。一方、カードで負けて浮かない気分のまま宿に戻ってきたカルロスは、ベッドの側にミーナの銀時計が置いたままになっているのに気付くと、こっそり持ち出してしまう。

第37話 「ふたりで見る景色」


(2008年09月14日)

37.jpgバス代を惜しんだおかげで、森の中で夜を迎えたポルフィとアポロ。焚き火にあたっていると、茂みの中からセントバーナード犬がポルフィへと近づいて来た。ポルフィのことを気にもせず、寝そべって火にあたろうとする妙に懐っこい犬に、ポルフィは文句を言いながらも笑みをこぼす。犬の首輪にはベルナルドと名前が記されていた。翌朝、車に乗せてもらうために街道に向かうポルフィの後ろを、なぜかベルナルドもついてくる。やって来たトラックにどうやら乗せてもらえることになり、荷台に上がるポルフィ。しかし出発した車がいきなり止まり、驚いたポルフィが前をのぞくと、トラックの進路を横たわったベルナルドがふさいでしまっていた。トラックの運転手の男が追い払おうとしても全く動じないベルナルド。結局追い払うことをあきらめたポルフィは、ベルナルドも一緒に荷台に乗せてもらい街へと向かうことにする。

第36話 「仮面の素顔」


(2008年09月07日)

36.jpg小川のほとりに腰を下ろし、アポロと一緒に食事しながら一休みしているポルフィ。木々の向こうに光るものを見て駆け寄ると、そこには荒れ果てたガソリンスタンドがあった。懐かしがりながら辺りを歩いていると、裏手にある古い農家の陰から人の言い争う声が聞こえてきた。近寄ったポルフィの足音に気付き振り返ったのは、表情のないマスクを着けた少女マリッサだった。ポルフィはマリッサのマスクに驚きながらも、ミーナの写真を見せる。マリッサからはミーナの行方を知る答えは得られなかったが、荒れたガソリンスタンドの様子が気になるポルフィが自分の家族のことを話すと、マリッサもまた5年前に両親を亡くしたことを教えてくれる。打ち解けたマリッサの家でもてなされたポルフィは、マリッサがサンドラと言う少女に「顔を見せるな」と言われてマスクをしているのだと知り憤る。自分を雑草と同じと嘆くマリッサに、ポルフィは「僕が友達になる」と宣言する。