バーンズが話をしてくれたおかげで、ポルフィはローマの下町の宿に泊まることができた。翌朝宿の食堂では、朝食をとるポルフィを主人のブルーノがかいがいしく世話をしてくれる。ブルーノは、ローマは広いが、スペイン広場辺りから探してみては、とポルフィに提案してくれる。やって来た広場では、世界中から来た観光客たちが、さまざまに写真を撮ったりアイスクリームを頬張ったりと楽しそうに過ごしていた。ポルフィが商売をしている露天商の男にミーナの写真を見せて、占い師を探していると聞いてみると、こんな広場でなくもっと裏通りにいくようにと追い払われてしまう。ポルフィは言われたように路地から路地を訪ね歩くことにしたが、あまりにも大きいローマの街にだんだん疲れきってしまう。珍しい車を見ても脇目も振らず一心に歩き続けるポルフィ。いつの間にか観光地から離れた下町までやってきていたポルフィを、見知らぬ女の声が呼び止めてきた。