第38話 「風に散る」


(2008年09月21日)

38.jpgイザベラは、変わらず無表情に過ごすミーナの世話を熱心に焼いている。そんな2人をカルロスはまだ苦く思ったままでいた。一仕事しようと街に出たカルロスの側を、そうと知らぬままポルフィが通り過ぎていく。ポルフィがひらけた道に行き当たると、屋台や色々な商品が並べられた賑やかな蚤の市が開かれていた。車の部品を見つけたポルフィは、楽しくなって興味津々に店先を見て回っていたが、うっかり商品を踏んでしまい、店の女性のエミリアに弁償を迫られてしまう。しかし、ポルフィの身の上を聞いたエミリアは、弁償どころか食事をごちそうしてくれた上に、翌日の店番の仕事を引き受ける約束で、ポルフィをアパートに泊めてくれる。一方、カードで負けて浮かない気分のまま宿に戻ってきたカルロスは、ベッドの側にミーナの銀時計が置いたままになっているのに気付くと、こっそり持ち出してしまう。