第39話 「君へと続く道」


(2008年09月28日)

39.jpgレオンに貰ったコンパスを手に、ポルフィはフランスの方向の北へ向かってとぼとぼと歩いていた。人気もなくどこまでも続く丘陵の途中で収穫前のオリーブの木を見つけるポルフィ。懐かしさに思わず近寄れば、その実の香りは幸せだった頃のギリシャを思い出させた。しかしポルフィが思い出に浸っていると、泥棒と勘違いした農夫がオリーブ畑にやってきてポルフィを乱暴に追い払う。辛い仕打ちにポルフィは涙が止まらなくなったが、こらえながら暗い森の道を前へと進んでいった。農地を通り過ぎやがて街道に行きあたったポルフィは、一人の女性・ジーナがたたずんでいるのに出会う。挨拶し恐る恐る話しかけるポルフィに、「生きてるだけ。何か文句ある?」と乱暴に返すジーナ。それにひるみながらもフランスの方角を尋ねるポルフィ。ジーナはぶっきらぼうな態度で国境の街のある方を教えたが、ポルフィの元気のない様子が気になり呼び止める。