国境を越えるトラックの荷台にこっそり隠れたポルフィは、とうとう待望のフランスの地に辿り着いた。しかし、あたりに広がる真っ白な雪景色に見とれていると、トラックの運転手・サミュエルに見つかってしまう。ポルフィはとっさに謝って逃げようとするが、サミュエルは硬い表情のままポルフィの腕を掴むと、無言でトラックの助手席に乗せて走り出した。翌朝到着した山あいの小さな町で、みすぼらしいアパートに連れて行かれたポルフィ。そこでポルフィを出迎えたのは、父の帰りを待っていた少女セシルと幼い弟たちだった。サミュエルは無断でトラックに乗り込み密入国したポルフィを責めることもなく、セシルに寝床と食事の用意を頼んでくれる。亡くなった母親の代わりに、小さな手をあかぎれで一杯にしながら一生懸命家族の世話をしているセシル。辿り着いたフランスでポルフィが出会ったのは、貧しく苦しい生活を送りながらも互いに支えあう家族だった。