幼いコゼットを連れた母・ファンティーヌは、村の宿屋ワーテルロー亭のテナルディエ夫婦にだまされ、愛する娘を預けて大きな工場のあるモントルイユ・シュル・メールの町へと更に働きに出ることを決断する。「いつか必ず迎えに来る」母の言葉を信じ、哀しみを堪えるコゼット。仕事を探すファンティーヌは、町の市長を務めている優しく親切な紳士マドレーヌに出会う。しかし、彼の本当の名はジャン・ヴァルジャンといい、貧しい家族に与えるために一塊りのパンを盗んだことで投獄され脱獄を繰り返して19年間を刑務所で過ごした過去を持っていた。宿屋を営む強欲なテナルディエ夫婦に預けられたコゼットは、使用人として働かされるつらい毎日を送るが、夫婦や宿の娘たちの仕打ちにも負けず、愛らしく力強く成長していく。文豪ヴィクトル・ユゴーの不朽の名作を、「少女コゼット」に視点を当てるという新たな切り口で現代によみがえらせた意欲作。
コゼット/松元環季・名塚佳織
貧しさから母親と別れ、宿屋のテナルディエ夫妻に預けられる。夫妻や娘たちから召使のような扱いで日々こき使われるが、母ファンティーヌの約束を心の支えに、つらい毎日を明るくけなげに生きる。やがて運命に導かれジャン・ヴァルジャンと出会ったあと、美しく明るく成長していく。
ジャン・ヴァルジャン/菅原正志
飢えた甥や姪を救うために一槐のパンを盗んだ罪で投獄されるが、何度も脱獄をはかったために19年という年月を獄中で過ごし、心をすさませる。しかし、ミリエル司教との出会いによって人間性を取り戻し、やがて人々から望まれて市長にまでなる。
ファンティーヌ/萩原えみこ
貧しさゆえに娘コゼット連れパリから仕事を求め田舎へとやってくる。途中出会ったモンフェルメイユ村の宿屋のテナルディエ夫妻にうまく丸め込まれてコゼットを手放してしまう。
ジャヴェール/松山タカシ
牢獄ですさんでいたジャン・ヴァルジャンを刑吏として目にしていた頃からの因縁により、ジャン・ヴァルジャンを執拗に追い続ける刑事。厳格で職務に誇りを持ち、人間の本質は決して変わらないことを信じているが、ジャン・ヴァルジャンを追ううちに徐々に葛藤が生まれてくる。
ガヴローシュ/小林由美子
テナルディエ夫妻の長子で末っ子。両親から疎まれていたが、子守を任されたコゼットにだけはだんだん心を開いていき、姉弟のように仲良く助け合うようになる。
エポニーヌ/大塚友稀・笹本優子
テナルディエ夫妻の長女。初めはコゼットと仲良くするが、両親がいじめる姿を見て、コゼットにつらく当たり始める。コゼットと「光と影」のような関係にある少女。パリに出て、マリウスに出会い恋をする。
マリウス/勝杏里
貴族の祖父に育てられたが、ナポレオン軍で戦った亡き父の思いを知ったことから、王党派である祖父に反発して家を出る。学生仲間と共に、祖国に真の自由をもたらそうと政府軍との戦いに身を投じる。成長したコゼットと出会って、恋をする。
テナルディエ/矢部雅史 ・おかみ/堀越真己
モンフェルメイユ村の宿屋の主人夫婦。夫婦揃って限りない欲深さの持ち主で、コゼットの母ファンティーヌをだまして法外な養育費を取り手元に預かる。
企画
前田和也(フジテレビ)/佐野浩平/石川和子
脚本
金春智子/丸尾みほ/平見瞠/横谷昌宏/池田眞美子/島田満 ほか
音楽
松尾早人
キャラクターデザイン
渡辺はじめ/吉松孝博
演出
桜井弘明/棚橋一徳/赤城博昭/土屋日/清水明/岡嶋国敏/川西泰二/荻原露光/市橋佳之/佐々木皓一 ほか
絵コンテ
桜井弘明/四分一節子/岡本英樹/井硲清高/佐藤雄助/小滝礼/尼野浩正/福田道生/小西洋子 ほか
総作画監督
渡辺はじめ/志田ただし
作画監督
藤原宏樹/山本径子/阿部千秋/加瀬政広/南伸一郎/清水恵蔵/孫吉永/宍戸久美子/渡辺昭/梶浦紳一郎/飯飼一幸/鈴木伸一 ほか
美術設定
伊藤主計
美術監督
中村光毅
撮影監督
森下成一
音響監督
早瀬博雪/高橋秀雄
色彩設計
小松原智子
プロデューサー
伊藤幸弘(フジテレビ)/山本幸治(フジテレビ)/加藤道夫/田中敦/佐藤賢一
監督
桜井弘明
オープニングテーマ
「風の向こう」
作詞:斉藤由貴
作曲:いしいめぐみ
編曲:澤近泰輔
歌:斉藤由貴
エンディングテーマ
「ma maman (私のお母さん)」
作詞:斉藤由貴
作曲・編曲:澤近泰輔
歌:斉藤由貴