現在、三話の「行きたい場所」の背景を九人のスタッフで製作中です。三本目となり、若いスタッフの技術も向上し、充実した日々を送っています。
なかむら監督の美術への要求は高く、絵の透明感からシークエンスの情景描写等、長編映画並のクオリティの高さを出さなければなりません。例えば朝の五時頃のシーンとか、夕方の淋しい薄暮の砂浜とか、雨の朝、霧の早朝等、子供達の心情とか、行動に合わせた、自然な世界を創造し描いています。
アニメーション映画には、様式化された美術が要求されるのですが、今回は様式化せず自然に描いています。2D(平面アニメーション)がトラディショナルアニメーションと言われる現代において、アナログで優しく、柔らかい、自然から学んだ背景画を描いています。
「未来少年コナン」の美術担当から二十七年も経ちますが、当時描写力がなくて反省している世界観を、今回の「ファンタジックチルドレン」の映画の中でうまく表現してみようと思っています。
又、タブロー(絵画)をしっかり勉強して、アニメーション界に入って来た、才能のある若いスタッフが、品格のある美しい背景画で、画質を支えてくれると思います。
「ファンタジックチルドレン」が視聴者の皆様に喜んでいただけたら、幸いです。
■制作を終えてのコメント(2005.6)は
代表作
「未来少年コナン」
「ほたるの墓」
「天空の城ラピュタ」
「もののけ姫」
他 多数