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第19話 預けられたコゼット
ジャンが決意した危険な賭けとは、亡くなったシスターのために用意された棺おけに隠れて修道院を逃れることだった。コゼットとジャンが修道院に隠れていると疑わず、未だに警戒を解かないジャヴェールの目を欺くためにも、ジャンは危険を承知でフォーシュルヴァンを説得し、やがてシスターの葬儀の夜、とうとう計画は実行される。一足先に修道院の外へ密かに連れ出されたコゼットは、何も知らされずに不安な気持ちを抱えながら健気にジャンの迎えを待つのだった。
第20話 修道院の日々
危険を乗り越え無事に戻ってきたジャンとコゼットは、修道院での新しい生活が始まった。ジャンはフォーシュルヴァンの弟と名乗り庭師として働き、コゼットは修道院の女学校に通い始める。モンフェルメイユ村での日々と全く違う世界に飛び込んだコゼット。やがて、初めて会う新しい友達や寄宿舎での生活にも慣れ、毎夜ジャンの住む小屋でコゼットは毎日の楽しさを生き生きと語るのだった。やっと平穏な生活を手に入れられ、ジャンは心の内にミリエル司教へと感謝の祈りを捧げていた。
第21話 マリウス・ポンメルシー
ベアトリスが修道院の学院を離れ、家族の元に戻ることになった。皆でお別れをしながら、コゼットも将来の自分に想いを馳せる。ジルノルマン家にはマリウスの父の危篤の報が届くが、祖父の言葉を信じて父にわだかまりを持っていたマリウスはなかなか出発できない。結局臨終に間に合うことができなかったが、父からの遺言状を受け取り、父を慕う人々から自分への思いを聞かされたことで、マリウスは父のことを知ろうとする。そして、祖父を問い詰め真実を知ったマリウスは、屋敷を飛び出し、父の墓の前で許しを請うのだった。
第22話 それぞれの旅立ち
夜逃げしたテナルディエの代わりに借金取りに追われ、コゼットを思いながらひっそりとパリへ向かって出発するガヴローシュ。一方、屋敷を出て大学の友人の勧めでアパートを借りて暮らし始めたマリウスだったが、心配して訪ねてきた伯母の援助も拒否し、二度と祖父の元に戻る気が無いことを告げる。修道院では、ジャンヴァルジャンが成長するコゼットの行く末を案じて、今の生活を続けて良いものか逡巡していた。やがてフォーシュルヴァンが老齢で亡くなり、とうとうジャンは修道院を出てパリの街で新しい生活を営むことを決心する。
第23話 パリの空の下で
修道院に別れを告げたコゼットとジャン。これから暮らすパリの街の賑やかな様子に驚くが、パリは不景気ですさんだ人々の集まる街でもあった。新居に着いたコゼットは、ジャンにずっと行きたかった場所があることを告げる。マリウスは、とうとう資金が尽き、家賃の払えなくなったアパートを出て場末のゴルボー屋敷へ移ることを決心する。そこには、モンフェルメイユ村を逃げ出してきたテナルディエ一家と、嫌々ながらテナルディエの悪事を手伝わされる、なすすべも無いエポニーヌの姿があった。
第24話 リュクサンブールの出会い
シュシュと一緒にパリへ着いたガヴローシュは、浮浪児たちと一緒にたくましく生活していた。ゴルボー屋敷では、エポニーヌがマリウスを知るに連れ一層惹かれていく。しかし、ジョンドレッドと名を変えたテナルディエは何やら悪事の算段を始めていた。一方クールフェラックに連れられて、学生運動の集まりに顔を出したマリウス。しかし祖父、父と、他人の影響を受けてばかりで定まらない己の考えに気付き、意気消沈する。そして足を向けたリュクサンブール公園で、マリウスはジャンと共に散歩に来ていたコゼットと初めての出会いを迎えるのだった。