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第25話 届かぬ想い
リュクサンブール公園で、互いの名前も知らぬままひそやかに視線を交わし始めるコゼットとマリウス。マリウスを意識して元気をなくすコゼットをジャンは案じるが、家政婦のトゥーサンから年頃の娘の気持ちを教えられる。マリウスも足繁く公園に通うものの、未だにコゼットに声を掛けられないでいた。そして同じようにマリウスを慕い始めたエポニーヌは、こっそりマリウスの後をつけ、見知らぬ女性に焦がれるマリウスの姿を見てひどく打ちひしがれるのだった。一方自分を追うジャヴェールの事を忘れていないジャンは、公園で見かける男が自分たちの素性を尋ねていたと知り、疑念を強めるのだった。
第26話 パリのすれちがい
ブリュメ通りの古い屋敷に新しく居を構えたジャンとコゼット。密かに警察を恐れるジャンによって、リュクサンブール公園へと出かけられなくなったコゼットは、会えないマリウスへの恋心を庭のマリーゴールドの花にひっそりと託す。コゼットの気持ちに気づいたトゥーサンは、そんなコゼットを心配そうに見守っていた。一方マリウスも失意にくれながら、リュクサンブール公園に通い詰める。見かねたクールフェラックが再び「ABCの友」の集会へと連れ出すが、一向に心は晴れなかった。そしてマリウスもまた、ゴルボー屋敷の庭に咲くマリーゴールドの花にコゼットへの想いを向けるのだった。
第27話 飛び出した女の子
礼拝を終えた教会の中で、ジャンの戻りを待っていたコゼットは、青ざめ苦しげな様子の女性を助けた。屋敷に連れ帰ると、その女性はロザリーヌと名乗り、迎えに来た幼い娘が行方知れずになっていることを話す。母娘の身の上に自分の境遇を重ね合わせたコゼットは、必ず親子を会わせてあげようと固く約束する。クールフェラックら「ABCの友」の仲間たちは、いまだに沈み込むマリウスを慰めようとブローニュの森でのピクニックを計画する。そこで彼らは、パンを盗もうとした浮浪児の一人の少年と出会う。
第28話 拾われた手紙
ゴルボー屋敷の近くの雪道で、マリウスが拾った4通の手紙。それは、テナルディエの書いたお金を無心する偽の手紙だった。手紙を失くしてしまったエポニーヌは、テナルディエに怒られ、代わりにマリウスからお金を借りてくるよう言いつけられてしまう。嫌がりながらもマリウスの元を訪れたエポニーヌは、部屋にあった鏡に映る自分のみすぼらしい姿にぞっとするのだった。やがて取り戻された手紙は、アゼルマの手によって教会に来る「慈善家の紳士」であるジャンに渡される。何も知らないジャンは、家族を援助してくれるように乞う少女に同情し、ゴルボー屋敷を訪ねることを約束してしまう。
第29話 テナルディエの罠
やって来た「慈善家の紳士」がジャン・ヴァルジャンだと気づいたテナルディエは、仲間を集め長年の恨みを果たそうと企みを巡らし始めた。拾った手紙の筆跡から、テナルディエの行動に不審を抱いていたマリウスは、隣人の嘘を告げるために密かに警察署へと赴く。マリウスに応対したジャヴェール警部は、その隣人がパトロン・ミネットの一味であるとにらみ、マリウスにある協力を申し出た。そして、コゼットの訴えにも疑いを持たなかったジャンは、約束どおりゴルボー屋敷を再び訪れた。
第30話 残されたコイン
悪党たちに囲まれたジャンの前で、とうとう正体を現したテナルディエ。警察に合図するために隣の部屋に隠れていたマリウスは、テナルディエが父親の恩人だと知って驚愕する。父の遺言とコゼットへの思いに揺られるマリウスは、自分がどうすればよいのか決断を下せず逡巡する。ジャンは人違いだとして切り抜け逃げ出そうとするが、とうとう捕らえられてしまった。テナルディエは恨みを晴らそうと、ジャンから大金を奪おうと脅すが、何者をも恐れないジャンはひるむことはなかった。そして屋敷の外には、ジャン・ヴァルジャンがいるとは知らないジャヴェール警部が、悪党を一網打尽にしようと息を潜めていた。